本稿の目的は、BI製品において、サービスによる付加価値提供の方法が企業によって異なる理由は何故か、またその違いにより企業活動にどのような影響があるかを明らかにすることである。分析は2社のBIベンダに関するケーススタディにより行った。分析の結果、1社は技術面に関する付加価値サービス、もう1社は技術だけでなく顧客のビジネスプロセスに関する課題解決サービスの提供も行っており、その違いは市場導入初期にターゲットとした顧客の性質の違いにより発生することがわかった。さらに前者のベンダでは、これまで蓄積してきたCore Capabilityが、環境変化とともにCore Rigidityに変化してきていることがわかった。