本研究は、サッカー選手が海外進出後に成功しやすい時機をポジションの特性別に実証する。データは2008年から2015年に海外でプレーする、現役サッカー日本人選手20名の3年間のパネルデータを利用した。分析の結果、攻撃も守備もできるゼネラリストのミッドフィルダーは海外移籍後に活躍し、海外移籍年齢とポジションの特性との間には交互作用効果もあった。ゼネラリストであるミッドフィルダーはなるべく早く、スペシャリストである他のポジションはキャリアを積んでからの海外移籍が、その後の活躍に正の影響があった。スペシャリストとゼネラリストはチャンスをつかむタイミングが異なり、自身の特性から海外移籍時機を選択すべきことを実証した。