抄録
クリステンセンが主張する「イノベーションのジレンマ」を克服する手法の一つとして,経済産業省は大企業にカーブアウト型起業実践の推進を求めている.
本研究は,ある大企業に属するエンジニアが研究開発型ベンチャーとして立ち上げたカーブアウト会社の事例研究である.
大企業が従業員にカーブアウトを許可する際に,従業員が負うかもしれないリスクや新しいビジネススキームの将来性を評価するうえで苦悩した点について議論する.
加えて,発足したカーブアウトベンチャーが経験したカーブアウトの業務上の利点および欠点についても議論する.