システム分析はIS開発へのニーズをその後半で明らかにする。一方、その前半では組織の文化・歴史的分析が求められが、その方法は共有されていない。本稿ではその前半の分析結果のための表記法として活動理論が適切なフレームワークと考える。しかしながら、活動理論は理論であるため具体的な方法を有さない、一部の研究者が活用できるアートの世界に留まっている。活動理論はその始原の一つに現象学があると考えられる。現象学は現象学をする方法概念を有する。そこで、本稿は、活動理論を構成概念・表記法とし、方法として現象学を利用する具体的方法を架空事例と共に提示する。これは、システム分析の前半を実務家が行えるものへと門戸を広げる試みである。