抄録
本研究の目的は、企業におけるコア事業でのオープン・イノベーションの実践に果たす知識マネジメントと情報システムの役割を明らかにすることである。そのため、われわれが独自に実施した国内企業に対する質問票調査データを用いて、仮説探索的な分析を行った。その結果、オープン・イノベーションを促す取り組みと知識マネジメントの取り組みとの間に有意な正の相関が存在することを見い出した。また、コア事業の遂行に情報システムが重大な貢献をするような場合であっても情報システムのインソーシング(内製)が必ずしも選好されるわけではないが、その場合には知識マネジメントへの積極的な取り組みがなされていることを明らかにした。