抄録
国内の食品等事業者に対し、将来的なHACCPによる工程管理の義務化を見据えつつ、HACCPの段階的な導入を図るため、2014年、厚生労働省は食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)の改正を行った。しかし、中小規模層(食品販売金額1~50億円未満)でHACCPを「導入済み」の企業は28.9%、「導入する予定はない」が35.6%である。義務化に向けては、中小事業者への普及が課題となる。そこで、本報告では、産官学でHACCP普及に取り組む帯広地区で、HACCPを導入済みの事業者を対象に実施したヒアリング調査を元に、HACCP導入段階での課題、有効だった支援策等を明らかにしIT活用の可能性について検討する。