抄録
気候変動やさまざまな環境汚染問題により、環境評価は一層重要性を増している。本研究では、データ包絡分析法(DEA)による環境評価手法を、手法比較の視点から分析する。生産活動から生じる生産物を、望ましい生産物と望ましくない生産物に分類し、統合的な効率性評価を行う。そのために、2つの手法を検討する。1つは伝統的なDEAモデルを用いた手法であり、もう1つは生産経済学の概念を応用したDEAモデルである。2つの手法はともに長所と短所を有しているが、これまで比較分析は行われてこなかった。本研究では、これら2つの手法を日本の化学産業企業に適用することで、結果を比較し、そこから得られるインプリケーションを検討する。