抄録
小売業やサービス業において、顧客生涯価値(LTV)の高い顧客セグメントを発見し、取引を持続することは戦略上重要である。しかしこれを阻害する要因は漠然としており、特定することは容易ではないが、その一部でも要因を明確化できれば、有効な施策立案のヒントとなる。本研究では、“あるヘアサロンチェーンのID-POSデータ”を用いて、クラスター分析によってLTVが高いと思われる顧客セグメントを発見し、そのセグメントの顧客の取引継続を目的変数とする分類問題を識別する。この分類問題に対して、可読性のある既存の分類アルゴリズムを多段階に組み合わせたアンサンブルアルゴリズムを提案し、計算機実験からその有効性を示す。