抄録
発達障害等,特別な支援が必要な児童のスポーツ参加についてはその充実が目指されている.しかしながら,地域のスポーツクラブ等,学校の課程外のスポーツ活動への参加については,参加すること自体の困難さや周囲の理解の乏しさがあり,発達障害児の運動する機会の少なさが指摘されている.本研究では,特別支援児の保護者にインタビュー調査を実施し,スポーツ活動への子どもの参加に関して,保護者がどのような体験をしているかについて検討することとした.調査対象は発達障害の診断を受けた子ども,又は診断は受けていないが特別な支援が必要な子どもを持つ母親9名である.M-GTAによる分析により,参加への期待,参加へのハードル,指導者との関わり,競技能力への直面,他児との関わり,家庭での葛藤,場所への希望の7つのカテゴリーが抽出された.分析の結果,受け入れ場所が少ないことや,指導者や他児との関わりの困難,あるいは,競技能力への直面など母親自身の迷いや葛藤が見られた.一方で,子どもの特性に応じた指導者の適切な関わりは,親子が安心して活動に参加できる環境を作り出していた.