山の科学
Online ISSN : 2435-7839
中部山岳地域における気温変動の季節による差異
近年の冬は高標高域も暖かくなっていない
鈴木 啓助佐々木 明彦
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2026 年 9 巻 p. 12-18

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抄録
中部山岳地域の高標高域における気温観測データから,年平均気温と季節平均気温の変動傾向を解析した.観測地点12ヶ所の年平均気温は,高温年や低温年が同時性を示している.中部山岳地域の高標高域では,年平均気温の地点間による年ごとの差異は大きくない.しかし,年平均気温の変動傾向は地点ごとに異なっている.地点ごとの年平均気温の上昇率とMann-Kendall検定結果のtau値は,各地点の年平均気温算出年数と強い相関がある.観測期間が長いほど,年平均気温の上昇傾向が弱く,観測期間が短いほど年平均気温の上昇傾向が統計的に有意である. 冬季平均気温についての変動傾向の解析では,上昇傾向も低下傾向も,すべての地点で統計的に有意ではない.一方,春季,夏季,秋季の季節平均気温については,多くの地点で上昇傾向である.各地点の季節平均気温変動のMann-Kendall検定結果のtau値と標高の関係では,冬季と春季の季節平均気温では統計的に有意な相関はない.1地点を除くと夏季と秋季の季節平均気温では統計的に有意な相関が認められる.夏季と秋季の季節平均気温は,標高が低い方が気温の近年の上昇傾向がより明瞭である.
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