看護教育学研究
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短期大学卒業直後に看護学士課程へ編入学した学生の学習経験 : 短期大学を卒業した編入学生理解のための指標の探究
横山 京子亀岡 智美定廣 和香子舟島 なをみ
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2002 年 11 巻 1 号 p. 26-39

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抄録
本研究の目的は、短期大学卒業直後に看護学士課程へ編入学した学生の学習経験の説明概念を創出し、実践経験を持つ編入学生の学習経験との同質性・異質性検討を通して「短期大学を卒業した編入学生の学習経験の総体」を解明し、編入学生理解のための指標を探究することである。研究方法論には看護概念創出法を適用した。半構造化面接により短期大学卒業直後に編入学し看護学士課程を修了した者から収集したデータを分析した結果は、短期大学卒業直後に看護学士課程へ編入学した学生の学習経験を説明する7概念を創出した。7概念とは、【I.履修計画作成・遂行による学習進展と目標達成】【II.学習過程における問題への直面と克服】【III.大学教育の意義発見による編入学への価値づけ】【IV.多様な人々との相互行為による自己・他者・看護への理解深化】【V.進路決定による学生生活との決別】【VI.学習継続による看護実践からの乖離自覚と接近への試み】【VII.自由時間獲得による新たな経験への模索と可能性の発見】である。これらに対する考察は、短期大学を卒業した編入学生理解のための3指標を抽出した。3指標とは(1)少数者としての環境との関わり方、(2)成人学習者としての特性を備えている程度と課題の内容、(3)成人としての発達段階と入学前の生活経験の質と量である。
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© 2002 日本看護教育学学会
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