2015 年 12 巻 p. 16-24
本研究の目的は、大学生運動部員におけるレジリエンスとバーンアウトの関連を検討することである。調査対象者は、大学の体育会運動部に所属する学生228名(男性56名、女性172名、平均年齢19.57歳、SD=1.17)を分析対象とした。調査内容は、大学生スポーツ競技者用心理的レジリエンス尺度(上野・清水、2012)、大学生スポーツ競技者版バーンアウト尺度(雨宮・上野・清水、2013)であった。1次回帰分析および2次回帰分析の結果から、特定のレジリエンスとバーンアウト間で有意な関連が見られた。このことから、レジリエンスがバーンアウトを低下させる一方で、変数間の組み合わせによってはバーンアウトを高める可能性も示唆された。今後は、本研究で得られた知見からレジリエンスの得点に応じて適応指導のプログラム構成を考える必要がある。