知的障害者が競技性の高いスポーツを行う際の不安を、日本知的障害者バスケットボール連盟ナショナルチームの合宿に参加中の男子選手9名を対象とし、日本語版State-Trait Anxiety Inventory (STAI)により測定した。被験者は全員DSM-IV-TRによる軽度精神遅滞であった。状態不安は合宿開始時がもっとも高く合宿終了時がもっとも低かったが、有意差は認められなかった(P=0.487)。従って合宿は知的障害者に強い不安を惹起するものではないことが推察された。しかし、全体の傾向とは反対に合宿終了時の状態不安が高い選手や特性不安が高い選手もおり、日常生活での不安の軽減のための援助や医学的関与が必要と思われた。このように障害者が競技性の高いスポーツをする際の不安はSTAIのような比較的簡易な方法で知ることが可能であり、より良い練習方法の開発や日常生活の援助のための指標となる可能性があろう。