2006 年 3 巻 p. 44-50
精神障害者の通所施設で行われるスポーツプログラム(SP)による参加者の感情の変化を検討した。定期および不定期に行われるSPの参加者(定期:rSPと不定期:iSP)と施設のスタッフを健常群(Nor)とし、SP開始前後の主観的運動強度(RPE)と運動による感情の変化(WASEDA「否定的感情(N)」、「高揚感(P)」、「落着き感(T)」)を検討した。RPE値はSPにより、Norで有意に増加した(p<0.001)が、iSPとrSPで変化はみられなかった。この時、運動前RPE値は精神障害者群で既に高値を示していた。一方、WASEDAの得点はSPにより、NorでNの有意な減少(p<0.0l)を示したが、iSPとrSPで変化はみられなかった。Pは、Norで顕著な増加を(p<0.001)、rSPでは有意な増加(p<0.05)を示したもののiSPでは変わらなかった。Tは全対象で変化がなかった。Tについては運動後に変化が著しいことから今回の結果からは言及できなかった。本結果は、本研究のSPが健常成人の心的改善に有効であったものの、精神障害者では運動開始前から心的な負担が生じることを示唆した。しかしながら、SPの定期的な活動はそれらを改善する可能性を示した。