スポーツ精神医学
Online ISSN : 2436-1135
Print ISSN : 1349-4929
症例報告
オーバートレーニング症候群と判断されて精神科受診が遅れたうつ病性障害の一例
山本 宏明, 山本 賢司, 宮地 伸吾, 星野 俊弥, 坂井 喜郎, 田野尻 俊郎, 宮岡 等
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 5 巻 p. 79-82

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抄録

オーバートレーニング症候群(OTS)とうつ病性障害の類似性、関連性についてはこれまでも報告されている。臨床上はOTSと判断されたためにうつ病性障害としての診断や治療開始が遅れる可能性があり、注意が必要となる。OTSと判断されうつ病性障害としての治療開始が遅れた症例を提示し、OTSとうつ病性障害との関連や対処の問題などについて言及する。

症例は、大学体育会系競技部に所属する19歳男性。高校から競技を始めたが、大学の部活では練習量が増加。入部3ヶ月後から慢性的な疲労感を自覚し、徐々に競技成績が低下した。入部5ヵ月後には強い吐き気と倦怠感から練習についていけなくなり、食欲低下、不眠、気分の落ち込み等が出現。練習量を軽減したが状態は好転せず、不調を自覚してから約7ヵ月後に近医内科を受診。その2ヶ月後に精神科医を紹介されて治療が開始された。

OTSの症候の多くはうつ病性障害の診断基準と重複し、OTSという視点からアプローチをされると、うつ病性障害が見逃される可能性がある。OTSが疑われた際にはうつ病性障害などのスクリーニングも行なわれるべきであり、うつ病性障害が疑われた場合は速やかに精神科を受診することが重要である。

また、OTSに対応する際には治療が必要な病気が存在している可能性を念頭に置くことが必要であり、啓発していく際にも注意が必要と考えられた。

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© 2008 日本スポーツ精神医学会
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