抄録
現行の垂直磁気記録媒体の構成におけるキャップ層及び裏打ち軟磁性層の厚さとホール電圧の関係を検討した。結果、キャップ層から大きなホール電圧信号が選択的に検出された。キャップ層を厚くするとホール電圧は増加することを明らかにした。この現象は、単層の強磁性薄膜でホール電圧が膜厚に反比例するという一般的に知られている現象と大きく異なる。キャップ層の厚さを一定にした場合、裏打ち軟磁性層を薄くするとホール電圧は増加した。実験結果に基づいて模擬した2層構造のモデル計算から異なる異常ホール係数を有する二つの磁性膜の積層構造において一方の層の膜厚が他方と比べて薄い場合異常ホール電圧が膜厚増加に対して増加する領域が存在することを見出した。