2012 年 9 巻 p. 54-58
勝利を目指すアスリートはしばしば心身共に相当なストレス下にあり、事実、慢性疲労症候群やうつ病などを経験する者も少なくない。これらの状況は現場で一部問題視されているものの、適切な環境整備や治療がなされているケースは稀であり、アスリートに特化した研究も十分とは言い難い。本研究は女子長距離ランナーを対象に安静時の自律神経活動、基礎代謝、気分状態を測定し、これらの関連について検討した。その結果、気分状態の活気と交感神経活動に有意な逆相関を認めた。交感神経系は、fight or flight(闘争か逃走かを司る)ともいわれており、心身のストレスを反映する可能性も示されている。本研究結果より自律神経活動という客観的指標が、アスリートの競技力向上のための評価システム構築に役立つ可能性をもつことが示唆された。