2026 年 21 巻 p. 1-10
目的:中山間地域における在宅介護を経て病院で看取る選択をした家族の介護への思いを明らかにすることである.
方法:兵庫県但馬地域に在住し,訪問看護を利用しながらも最期は病院で看取った療養者を介護していた家族5名を対象に半構造化面接を実施し,質的帰納的に分析した.
結果:家族介護者の「思い」とは,【最期の迎え方に関する意思共有ができていない】,【療養者の苦痛に直面する苦しみ】,【訪問看護師がいてくれることで感じる安心】,【療養者のことは専門職に頼りたい】,【地域特有の環境による在宅療養継続の負担】,【蓄積する介護の疲労】,【看護職との関係構築に伴う困難】,【療養者の入院に対する安堵】,【在宅で看取れなかったことへの後悔】の9 のカテゴリーが抽出された.
結論:家族介護者は,中山間地域特有の制約を感じながら介護し,療養者の最期を病院で看取ったことに対して後悔を感じていることが明らかになった.一方,療養者の入院先に「顔見知りの医療職」がいたことに安心感を抱いていたことが明らかになった.