システム農学
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投稿論文
ファジィ画像データのあいまい度の尺度への適用
堀 勝也星 仰佟 国祥
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ジャーナル オープンアクセス

1994 年 10 巻 2 号 p. 109-118

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抄録

農業情報システムやシステム農学分野では地域のマクロ情報を入手するために、リモートセンシング技術による人工衛星画像データを活用する機会が多くなってきている。 特に、地域の土地利用状況が変化しやすい地域では、土地の利用状況や地域の農耕計画や地域農村計画などの資料にリモートセンシングによる土地被覆分類図が必要である。 しかし、いままでのマッピング手法では土地の利用状況を把握するのが非常に難しい。つまり、マッピング手法では土地利用図を作成するには時間がかかるし、 土地の利用状況の変化にも追いつかない。そのため、 土地被覆分類図を作成するには、リモートセンシング画像データを利用し、現状を数種の土地被覆分類項目にマクロ的に割り当てる。 この時、土地被覆の形式は数種の代表的な土地被覆を分類する項目に割り当てる方式が採用される。 しかし、 土地被覆分類項目は利用者の要求で決定されるもので、必ずしも分析する地域に適しているとは限らない。 また、 適切な分類項目であったとしても、教師デー夕(トレーニングエリアデータ)のサンプリング状態や評価用データ(テストエリアデータ)のサンプル位置によって分類の結果の評価も異なってくる。 これらの諸問題は主題図作成において、常につきまとう問題であり、分類結果の評価法とデータの適用性が重要な研究課題であろう。いままで分類結果を評価するには、あいまい度の尺度が使われてきた。しかし、あいまい度の尺度で分類結果を評価するとき、用いられた分類結果のデータは crisp データであり、1画素に複数のパターンが含まれているとき、このような異なる分類結 果を区別できなくなる。 そのため、本研究ではファジィ理論を導入し、上記のような画素の帰属関係(あいまいさ)をメンバーシップ関数で表し、このメンバーシップ関数によって、仮頻度と仮確率を提案し、あいまい度の尺度をこのファジィデータに基づいて計算できるようにする。 本研究が主題図作成に伴う分類結果を分類スコアで表現したとき、これを評価するためにあいまい度の尺度を用い、ファジィデータへの適用性を考察する。

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© 1994 システム農学会
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