システム農学
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対話型多目的計画法による飼料配合設計
三谷 克之輔中山 弘隆
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ジャーナル オープンアクセス

1994 年 10 巻 2 号 p. 99-108

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抄録

対話型多目的計画法のひとつである満足化トレードオフ法(STOM)を飼料配合設計に応用する方法について検討した。その結果、 ①多くの目的関数を持つ配合問題を希求水準法によって単純な LP 問題に定式化できること、②栄養素や価格などの目標値(希求水準)を操作しながら容易に満足解を得ることができること、③自動トレードオフによって目的の解が迅速に得られること、 ④飼料原料の使用量の制限などを達成基準がゆるやかな制約(ソフト制約)として扱えること、 ⑤目的と制約の間を自由に調整できるので、あらかじめ栄養素や価格などを目的と制約に厳密に区分する必要がないこと、⑥現在の原料使用量をソフト制約として扱うことにより、飼料配合設計の診断と改善案の作成を同時に行えることなどが認められた。 このように、本法は配合設計者の意向を忠実に反映した自然な条件設定とそれに対する解を求めることができ、飼料配合に有効に利用できることを明らかにした。

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© 1994 システム農学会
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