食料の供給と消費より発生する窒素負荷の河川や湖沼への流達量について検討した。わが国において食料の供給と消費に伴い環境に排出される負荷量は8.33×105[ty-1]と推定される。この一部は河川や湖沼に流達する前に浄化される。行政データを基に都道府県ごとに発生負荷量、河川や湖沼への流達負荷量を推定したが、発生した負荷量の中で河川や湖沼へ流達する割合、すなわち流達率と降雨量の間には良い相関があった。降雨量が多い都道府県では大きな流達率となる。わが国における平均流達率は0.49であり、食料の供給と消費により環境に影響を与えている負荷は4.05×105[ty-1]と推定された。