抄録
水田作経営の発展にとって、一筆ごとの圃場情報を正確に収集・整理し、その結果を経営の運営管理に効果的に活用することが重要である。そのため、コンピュータ利用による圃場管理に係る経営情報システムの開発が求められている。ところが、これまで開発されてきたソフトウェアは、取り扱う圃場情報が部分的であったり、価格面や操作性において問題を持っていたりして、本格的な普及段階に到達していない。そこで、本研究ではパーソナルコンピュータを用いて、作図機能の基礎となるマッピングシステムとそれにもとづく圃場管理システムを備えたソフトウェアを開発し、適用効果について考察した。本システムでは、まず、圃場図をもとにデジタイザで白地図を作成し、それらの複数の白地図を結合することにより、広域を一括表示する白地図データを作成する。次に、その白地図データをもとにして、一筆ごとに土地台帳、作付台帳、栽培管理台帳、作業受託台帳の四つの圃場データを入力する。それらのデータを利用することにより、以下の項目について農業者の意思決定を支援して効果を発揮することができる。1)水田の権利関係や属性、利用状況が正確に把握できるので、土地利用高度化の推進に役立つ。2)転作圃場の団地化やブロックローテーションのためのシミュレーションを行うことができる。3)作付圃場の選定と作業面積の確認が容易となり、作付・作業計画資料の作成を簡単に行うことができる。4)受託作業・小作料金の計算を自動的に実施し、事務作業を大幅に軽減することができる。