2006 年 22 巻 1 号 p. 35-48
環境に負荷を及ぼすことなく、資源の浪費を抑制し、廃棄物の再資源化を図るような循環型社会経済システムの構築が叫ばれている。しかしながら、循環型社会の構築は、社会経済活動全般における人々の意識変化を必要とする。この意識変化は、人々の共通認識として形成されることを必要とする。地域内における有機性資源の再資源化に際しては、「農業」から排出される有機性資源の再資源化に留まらず、「一般家庭」から排出される有機性資源=家庭系食品廃棄物の有効活用に向けたシステムを如何に構築するかといった観点が重要となる。山形県長井市においては、1997(平成9)年以降、「台所と農業をつなぐながい計画ーレインボープラン」の名称で「一般家庭lと「農家」を結ぶ「有機性資源地域内循環システム」が展開されている。山形県長井市における「有機性資源地域内循環システム」は、住民相互の協力の下で、計画当初の安全な農産物の生産という視点に留まらず、地域内における資源循環の観点から「まちづくり」の基調として実践されている。長井市における「有機性資源地域内循環システム」は、「一般家庭」と「農家」の間に、2つの「有機性資源」が循環することにより成立している。「一方の有機性資源の流れ」が「生ごみによる有機性資源の再資源化の展開」であり、「もう一方の有機性資源の流れ」が「生ごみコンポストを利用した『域産域消』農業の展開」と位置づけられる。長井市における「有機性資源地域内循環システム」の実践は、「地域資源循環型まちづくり」に向けての「社会的波及効果」を実現している。さらにこうした「有機性資源地域内循環システム」構築に際しては、啓蒙活動等による「社会的手法」の充実・徹底化が有効である。