システム農学
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研究論文
GPS カメラ付き携帯電話による農作物の生育監視システムの提案
全 炳徳嶋本 麻由金 宗煥杉山 和一
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キーワード: 携帯電話, CCD, CMOS, GPS, NDVI, WebGIS
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2009 年 25 巻 3 号 p. 167-174

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抄録

本研究では、GPS(全地球測位システム、Global Positioning System)機能付き携帯電話を有効な農作物の生育監視モニタリングツールとして考え、そのカメラ機能(以下、イメージセンサー機能と記す)、GPS 機能、メール送受信機能を利活用する「携帯電話による農作物の生育監視システム」を作成し、WebGIS 上で検証実験を行った。検証実験にはスペクトルフォトメータ(アレイ社製 2703 型)、高機能CCD カメラ(Nikon D-100 をベース)を検証用機器として使用した。検証内容は携帯電話(NTT DoCoMo のSO903i, N904i, N905iµ)に備え付けられているイメージセンサー及びGPS 機能であり、その結果をもって他の類似システムと比較検討した。実験の結果、樹木の植物活性度(NDVI:Normalized Difference Vegetation Index)を測定した場合で、スペクトルフォトメータと高機能イメージセンサー(CCD:Charge Coupled Device)との間にはR2=0.92 という高い相関を示しているのに対して、携帯電話のイメージセンサー(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor)の場合はR2=0.76 という結果を得た。GPS 機能としては、室内外で行った実験結果から、両方ともRMSE 誤差が±5m 以内(最大距離誤差は156.7m 以内)に収まっていることが分かった。また、WebGIS 技術を援用した「農作物の生育監視システム」は、省力かつ効率的に現地の状況を把握しており、現地作業者及び管理者側間の情報共有が可能であることが確認できた。

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© 2009 システム農学会
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