システム農学
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研究論文
多時期MODISデータを用いた熱帯地域における水稲作付時期と変動特性の把握
-インドネシア・ジャワ島を対象として-
内田 諭
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2012 年 28 巻 4 号 p. 123-135

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抄録
水稲の作付時期が多様な熱帯アジア地域の代表例として、インドネシア・ジャワ島を対象に、MODISデータによる水稲作付の時間的・空間的分布状況を把握する手法を開発し、作付時期の経年変動特性の解析を行った。MODISの16日間合成データセット(MOD13Q1)から求められる植生および地表湛水状態を表す指標値の時間変化から、16日間隔で水稲作付域を抽出し、2000年4月から2011年12月までの水稲作付分布データを作成した。月別の水稲作付面積を表す統計データと時間変動特性を比較したところ、両者は良い相関を示した。一方で、画素内での他の土地利用との混在、あるいは、異なる作付時期の混在等が影響し、イネの作付地であっても作付時期が判別されない場合があり、作付面積を精度良く算定することはできなかった。本手法を、水田が広く存在するジャワ島に適用した結果、雨期の端緒となる9月以降の第1作および第2作の作付時期の全島的分布を示すことができ、各々12月から1月と3月から4月頃にピークとなるが、作付時期が相対的に早くなる地域と遅くなる地域の分布が明らかとなった。さらに、同一地点であっても作付時期は経年的に変動し、第1作が第2作に比べて大きい変動幅を持つことが示された。第1作の作付時期の変動に関し、雨期前半の降水量との関係を調べたところ、少雨年に作付時期が遅れる傾向が明瞭となる地域、また、逆の傾向を示す地域の存在が明らかとなり、前者は、天水に依存する地域および灌漑網の末端部に現れる傾向があることが判明した。
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© 2012 システム農学会
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