システム農学
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研究論文
シロアリを摂取したニワトリの鶏肉、鶏卵に対する喫食意思および支払意思額
中村 颯一郎塚原 洋子長命 洋佑熊谷 元広岡 博之
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2023 年 39 巻 2 号 p. 31-43

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抄録

シロアリを養鶏用飼料として用いて生産したニワトリの鶏肉と鶏卵および、シロアリに人間の健康に良い機能性成分が見つかったことを仮想情報として提示した場合のニワトリの鶏肉と鶏卵に対する消費者の喫食意思と支払意思額、およびそれらに影響する要因を明らかにした。Webアンケート調査を実施し、982名の消費者のデータを用いて、喫食意思と支払意思額に影響する要因を明らかにするために最小二乗分散分析法を用い分析を行った。分析の結果、機能性成分が見つかったという情報が与えられた場合、喫食意思は強くなるとともに、支払意思額も高くなった。鶏肉や鶏卵に対する喫食意思は女性より男性で、昆虫食や昆虫飼育の経験の有無では経験者が、またより高学歴な回答者で強くなった。鶏肉に対する喫食意思は、現在の居住地方と現在の居住市町村人口規模との交互作用の効果が有意であった。また、シロアリに機能性成分が見つかった場合のシロアリを摂取したニワトリの鶏肉、鶏卵への喫食意思は、居住地方と性別との交互作用の効果が有意であった。他方、支払意思額に関しては、喫食意思に寄与していたこれらの要因の影響は見られなかった。

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