システム農学
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都市近郊における森林利用計画システム
榎 幹雄
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ジャーナル オープンアクセス

1988 年 4 巻 1 号 p. 62-73

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抄録

都市近郊における森林利用の最適化を図るため森林利用計画システムを提案し、大阪府岸和田市をケーススタディとして森林の最適空間配置と林業政策のあり方を検討した。森林の配置計画では、まず計画地域をメッシュ区分して各メッシュの立地適性に関する因子をもとに立地区分を行い、林業的利用として適切なメッシュを選択した。次に林業的利用メッシュについて森林の機能に関する自然的、経済的、社会的因子から主成分分析により総合的な森林の機能特性分析を行い、木材生産、水源涵養、災害防止、保健休養の4機能を主成分スコアとして数量化した。このスコアをもとにメッシュ毎に高いスコアをもつ森林機能を選択し、最適配置図を得た。一方、この配置計画にともなって派生する林業政策上の諸問題を明らかにするため、森林所有者の森林利用に対する意識をアンケート調査によって解析した。そして配置計画から導かれた最適な森林利用とアンケート調査から得られた森林所有者の意識を軸に計画地域を類型区分し、各類型において森林利用を適正にする林業振興、森林保全施策を検討した。

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© 1988 システム農学会
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