The Journal of JASTRO
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JASTRO 20年の歩み─誕生の経緯と明日への期待
阿部 光幸
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2008 年 20 巻 2 号 p. 47-54

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抄録

日本の放射線治療は1960 年前後にキロボルトからメガボルトの放射線治療に変わったことで,1 つの飛躍がもたらされたが,その後,長い間低迷していた.この問題を解決したいという多くの放射線治療医の情熱と努力が実り,1988 年 2 月11日,日本放射線腫瘍学会が誕生し,1989 年 1 月14日~15日,第 1 回学術大会が開催された.そのときの会員数は943名,発表演題数85題,学会参加者約500 名であった.2000年頃より,IMRT,粒子線治療などの高精度放射線治療が実現し,放射線治療は飛躍的に進歩した.そのため,2007年の第20回学術大会では,会員数3,195 名,発表演題数505 題,学会参加者1,819 名と,急成長した.一方,放射線治療患者数は1990 年には約63,000 人だったのが,2005年は162,000 人となり,2015 年には360,000 人に増加すると推定されている.これに対応するには,放射線治療医の増加が急務であり,その根本解決には放射線腫瘍学講座の増設がなにより重要である.最近の放射線治療は,苦痛が少なく,QOLの高い治療法を求める人々の要請に最もよく応えられるものになりつつある.放射線治療が,がん治療の主役を担う日は遠くない.

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© 2008 日本放射線腫瘍学会
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