The Journal of JASTRO
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MLCファントムを用いた三次元放射線治療計画システムにおけるnon-dosimetric QA
舘岡 邦彦大内 敦長瀬 大輝佐藤 崇史中田 健生清水目 一成晴山 雅人
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2008 年 20 巻 2 号 p. 55-65

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抄録

【目的】高精度放射線治療は3D-RTPS のシミュレーションソフトの誤差範囲を把握する必要がある.3D-RTPS のシミュレーションソフトのnon-dosimetric QA には,3D-RTPS における仮想放射線ビームにより作成される上下段絞りやMLCの開度の表示精度などがある.ファントムを用いたnon-dosimetric QA において,CT画像の収集条件や人為的な誤差などの影響を受けない方法を検討した.【方法】non-dosimetric QA はMLCファントムを用い,この構造体辺縁のアクリルと空気のCT値から,構造体辺縁の相対的CT値を解析した.【結果】MLCファントムの構造体辺縁のアクリルと空気の相対的CT値は,スライス厚 1mm に対して 2mm,3mm,5mm で,おのおの約 2%,4%,10%の減少を示した.スライス厚 5mm を用いてファントムを撮像した結果は,仮想放射線ビームのファントム辺縁の相違は横断面および横断面以外のすべての画像において,平均値0.08mm ,標準偏差0.6mm であった.DRR 画像では平均値0.08mm ,標準偏差0.6mm であった.スライス厚 2mmを用いてファントムを撮像した結果は,MLCを用いた仮想放射線ビームとファントム辺縁の相違は平均値-0.18mm ,標準偏差0.32mm であった.DRR 画像では平均値0.87mm ,標準偏差0.54mm であった.【結論】3D-RTPS の仮想放射線ビームにより作成される上下段絞りやMLCの開度などの表示精度の系統誤差および偶然誤差を最小にすることが可能であった.この方法を用いることで,CT画像収集条件,windows width/level の設定による画像認識相違,QAを実施する医学物理士など,人為的な誤差などを最小にすることができる.

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© 2008 日本放射線腫瘍学会
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