抄録
2000年に日本緩和医療学会が出版した『Evidence-Based Medicineに則ったがん疼痛治療ガイドライン』の改訂作業が2005年に呼びかけられ,当時,日本放射線腫瘍学会学会長であった埼玉医科大学放射線腫瘍科・土器屋卓志教授の許可を得て,今回の研究グループの核となるワーキンググループを立ち上げた.今回ガイドライン作成過程と作成された試案を提示したが,ガイドラインの作成は有痛性骨転移に対する放射線治療の有用性を明確にするには有用であると考えられた.しかし,緩和的放射線治療の領域で最もエビデンスの多い有痛性骨転移に対象を限定しても,ガイドラインの作成に関する作業量は多く,関連領域から参照可能なガイドラインの作成と改訂にはワーキンググループの常設が望ましいと考えられた.