抄録
最近の高精度放射線治療の進歩により,放射線治療患者が急増している.このため,放射線治療医の不足が重大な問題になっている.これを根本的に解決するには,何よりも放射線腫瘍学講座の設置が重要である.何故なら,放射線治療医を生み育てるのは,まずもって大学だからである.放射線腫瘍学の講座があってこそ,教授は教育,研究,診療,また,学生の獲得に専心取り組むことができるのである.現在,放射線腫瘍学講座を有するのは16大学に過ぎない.日本放射線腫瘍学会はあらゆる機会をとらえて,文部科学省,厚生労働省,大学の医学部に放射線腫瘍学の講座の重要性を訴え,問題の解決に努力するよう切望するものである.