The Journal of JASTRO
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放射線治療が著効した難治性口腔白板症の一例
江島 泰生副島 俊典丸田 力金岡 徳芳児玉 明久杉村 和朗
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2001 年 13 巻 2 号 p. 107-110

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抄録

口腔内白板症は前癌病変であり, 外科的切除, ジーザー治療を中心にざまぎまな治療法が試みちれぞいるが, 再発や悪性化が多く治療に難渋することがある.我々は高齢者の難治性口腔内白板症で放射線治療が著効した一例を経験した. 症例は85歳の女性で, 放射線治療までの約4年の経過中にレーザー切除4回, およびビタミンAの内服投与がなされたが再発を繰り返していた. 放射線治療は4MVX線を用い, 40Gy/20fr/32daysの照射を行った. 放射線治療後約3年7ヶ月の経過で再発や悪性化は認めず, 晩期合併症も認めていない. 今圏の治療で, 放射線治療は患者の疼痛緩和や口腔内白板症の改善に有効であり, 高齢者の難治性白板症に対しては放射線治療は試みるべき治療法と考えられた.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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