The Journal of JASTRO
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医学教育における放射線生物学の貢献
大西 武雄
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2003 年 15 巻 4 号 p. 247-250

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抄録

日本における医学教育に放射線生物学の教育が始まって約40年近くなる. 医学にかかせない放射線医学の診断学と治療学を支える学問として, 放射線生物学の教育がなされてきた. 放射線・放射能が発見されて以来, それらの効能は大きな進歩をとげてきたと同時に, それらによる障害も危惧されて, いくつかの危険性も指摘されてきた. 一方, 分子生物学のめざましい発展が放射線生物学の発展に大きく貢献してきた. 診断・治療におけるしくみを分子のレベルから理解することができるようになってきた. また, 放射線・放射能の人体影響, 特に細胞死・突然変異・発がんを分子レベルから理解できるようになってきた. 放射線・紫外線・化学物質によるDNA損傷とその修復機構, がん関連遺伝子の機能などの研究成果が放射線・紫外線・化学物質に対する感受性やそれらによる発がんのしくみを究明しつ2ある. また, 生物学に生命の誕生から, 進化, 生きているしくみに関する多くの科学的情報を与えてきたことを紹介した.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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