The Journal of JASTRO
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103Pd線源使用時の周辺線量当量率測定とその安全性
橋本 光康佐々木 徹土器屋 卓志
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2004 年 16 巻 1 号 p. 25-32

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抄録
欧米では前立腺癌に対する治療法として, 永久挿入用線源である125I, 103Pdを使用した組織内照射法が盛んに施行されている. 本邦においでは, 平成15年3月の厚生労働省通知により退出基準と関係法令の遵守等を担保に, 125Iシード線源の使用が可能となった.
125I線源と同様, 103Pd線源の本邦での普及を目的に, 人体ファントム前立腺部に103Pd線源を挿入し用辺線量当量率測定を行い, 退出基準の根拠となる基礎データを取得した. まだ, この値を基に介護者等の被曝線量の試算を行った.
その織果, 前立腺部での患者の組織・臓器による吸収を考慮した見掛けの1cm線量当量率定数は, 0.00006μSv・m2・MBq-1・h-1という値となり, 介護者等の被曝線量は, IAEA, NRCの線量拘束値を十分下回る結果を得た.
前立腺部への103Pd線源の使用は, 患者周囲の者が受ける放射線被曝のリスクを懸念する必要はほどんどなく, その安全性は125I線源よりさらに優れていると考えられる. また, 欧米で行われている外来での日帰り治療が本熱の現行法規制下においても十分可能であると考える.
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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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