The Journal of JASTRO
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小線源治療の線量率と分割の生物モデルの再考に向けて
井上 俊彦吉岡 靖生田中 英一
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2004 年 16 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

小線源治療は低線量率照射から高線量率照射へと着実に移行している. 高線量率照射が低線量率照射よりも好成績であることも示され始めた. これは放射線生物学的にはよ想だにされながったことである. これまで低線量率小線源治療が子営頸癌や舌癌に対して最上の放射行濃療法であるとされにてきた, 放射線生物学的には高線量率小線源治療は危険な方法であると批判の矢面に立たされた. 低線量率から高線量率小線源治療へ安全に移行するためには, 線量率変換係数が必須でNSD, TDF, CREなどの等価変換式が提案された賦しかし, これらの式には治療体積のパラメータが含まれていな蟻愛う欠点があった, さらにこれらの式は放射線生物学的な霊験にもとついて導かれたのではなく, 臨床結果から得られたもの野あった. 替わってLQモデルが出てきた. 低線量率小線源治療の線量率効果と高線量率小線源治療の分割効果は考慮されるが, やはり治療体積は考慮されていない. 本来Manchester法では使用されるRa線源の制約のために, 線量率は主ともて治療体積の影響下にある。Manchester法でもParis法でも, 舌癌低線量率組織内照射と子宮頸癌低線量率腔内照射の標準処方線量は60Gy/144~168時間である. 処方線量は一晃線量率で増減されるように見られるが, 臨床的には低線豊率小線源治療の線量率のばらつきは基本鯵に治療体積に支配されでいる. 比較的大線源の60Coと短単減期の192Irマイクロ線源の出現でこのあたりの事情が変わった. しかしごれらの線源のおかげで, 精度の高い高線量率小線源治療が可能になった. 今こそ高線量率小線源治療で得られた独自の治療パラメータに基づいた親しい生物モデルが必要とされる.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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