The Journal of JASTRO
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切除不能および再発大腸癌に対する放射線療法の治療成績
西村 恭昌平岡 真寛芥田 敬三芝本 雄太高橋 正治阿部 光幸
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1990 年 2 巻 3 号 p. 233-241

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抄録

進行大腸癌に対する放射線治療の局所効果と生存率を, 1981年から1989年まで当科にて放射線治療を行った大腸癌69症例を対象に検討した. 局所効果の判定の行えた63病変中, 6例 (10%) にCR, 23例 (37%) にPRが得られ, 34例 (54%) はNRであった. 治療法別に奏功率 (CR+PR) を検討すると, 放治巣独群33%(8/24), 温熱併用群50%(16/32), 化学療法併用群50%(2/4), 温熱化学療法併用群100%(3/3) と併用群に奏功率の高い傾向がみられた. 除痛効果に関しては, 48例中44例に, 痛みの軽減, 消失がみられた. 全69例の50%生存期間が15カ月, 1年生存率58%, 5年生存率9%であった. 遠隔転移のない症例あるいは外科的切除の行えた症例の生存率は, そうでない症例に比して有意に生存率がよかった. 進行大腸癌のうち特に遠隔転移のない症例には, 温熱療法, 化学療法, 外科的切除, 術中照射などを積極的に組み合わせることが必要と考えられた.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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