The Journal of JASTRO
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子宮頸癌術後照射例の検討
柏原 賢一西谷 弘竹川 佳宏岸 恭也
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1992 年 4 巻 1 号 p. 45-53

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抄録

子宮頸癌術後照射97例における予後因子について検討を行った.全例に広汎子宮全摘出術と骨盤内リンパ節廓清術が施行された.リンパ節転移陽性・労組織浸潤・脈管侵襲・膣摘出不十分・原発巣の大きい例・腺癌・腺扁平上皮癌・正常残存筋層3mm以下の症例に対して, 6MVX線にて全骨盤照射 (93例は中央遮蔽併用) を30-60Gy施行し, 4例に腔内照射を併用した.症例の臨床進行期はIb 37例, IIa 15例, IIb 45例で5年生存率は80.4%, 78.8%, 84.1%で全体では81.5%であった.再発は局所4例, 遠隔転移15例, 両者6例の25例に認められ, 再発期間も60%は2年以内であった.又, 再発後の1年生存率は50%と比較的良好であった.予後因子としては, 妊娠回数, 流産回数, 組織型, 労組織浸潤, 骨盤内リンパ節転移に有意差が認められた.早期障害のあるものは予後の良い傾向が見られるものの, 有意差を見るまでには至っていない.以上より, 適応を絞った子宮頸癌術後照射の有用性はあるものの, 今回の検討で有意差の見られた予後因子に関し, high risk groupに属するものに対してはさらにadjuvant chemotherapyなどの考慮が必要であると考える.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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