1993 年 5 巻 3 号 p. 165-171
電子線による全身皮膚照射時に, 電子線エネルギーを低下させる目的で用いる減衰板の, 線源からの位置及び厚みが線量分帥に与える影響について検討した.本研究において次のような点を明らかにした.減衰板を患者側に設置する利点は1) X線混入率の低下, 2) 患者皮膚表面で線量率が高くなる, ことである.5mm厚減衰板の場合, 1) X線混入率は1m位置で15%, 3.5m位置で8%である, 2) 3.5m位置における線量率は1m位置の約2倍となる.結論として, 減衰板はできるだけ患者近くに配置した方が全身皮膚照射に適した線量分布となる.