The Journal of JASTRO
Online ISSN : 1881-9885
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EARLY SKIN SHRINKAGE, LATE SKIN CONTRACTIONAND LEG CONTRACTURE OF MICE EXPOSED TO TWO EQUAL FRACTIONS OF NEUTRON
上原 智三好 真琴安藤 興一小池 幸子増田 康治
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1996 年 8 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

【目的】中性子照射後の放射線障害からの正常組織の回復に照射間隔が与える影響をマウス下肢を用いて検討した.【方法】9から25Gyまでの30MeVデュートロンーベリリウム中性子 (線量率0.7Gy/分) を照射間隔6時間から14日の間隔で, C3H/He雌マウスの下肢に一回または二等分割照射を行なった.照射後40から50日の早期皮膚短縮, 250日目の晩期皮膚短縮と下肢拘縮のEffbctive Dose 50%を照射間隔と対比検討した.【結果】早期および晩期皮膚短縮は6時間でピークを2日間隔で回復の谷を認めた.しかし下肢拘縮ではこの傾向は認めなかった.照射間隔が2日から5日までの場合, 有意差は認めないが等効果線量の増加を認めた.5日以上の間隔では回復は認められなかった.回復率 (D2-Dl)/D1から見ても同様のパターンを示したが照射間隔1または2日で, 回復率が10%以下になる現象が認められた.これらより照射間隔を5日以上としても障害回復の点からは効率的でなく, また5日未満でも1ないし2日の間隔を選択した場合, 障害の程度によっては回復率がかなり小さくなる傾向が認められ, 照射間隔5日以下でも注意を要する事が示唆された.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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