日本ベンチャー学会誌
Online ISSN : 2433-8338
Print ISSN : 1883-4949
事例研究論文
行政アウトソーシングによる地域活性化のアクション・ リサーチ
―高知県における取り組み―
中西 穂高
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2009 年 14 巻 p. 33-42

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抄録

今日、地方自治体は、厳しい財政状況に対応して行政効率化を進めると同時に、地域経済の活性化を図ることが求められている。しかしながら、行政効率化による支出の削減は地域経済に悪影響を与えることから、行政効率化と経済活性化の同時達成は難しい課題である。筆者は、行政事務事業を地域の企業、NPO等にアウトソーシングすることにより行政効率化とともに地域活性化を図る「地域活性化モデル」を提案するとともに、高知県庁において事務部門の最高責任者としてモデルの実践、改良に取り組み、アクション・リサーチのかたちで研究を進めた。その結果、同モデルには、雇用創出など地域活性化に効果のあること、官民協働の取り組みを活発化させる効果のあること、人件費を中心とした行政コストの削減や行政サービス向上などの行政効率化効果のあることが明らかになった。本モデルは、高知県における実践で有効性が確認できたが、全国どこの自治体においても実行可能なモデルである。

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© 2009 日本ベンチャー学会
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