2009 年 14 巻 p. 23-32
いくつかの中小零細ベンチャー企業や地域は経営資源の不足という問題に対し、これまで独創的かつ革新的な方法で経営資源を創出しそれを活用している。このような資源創出という現象に対して、既存の資源アプローチと呼ばれる理論ではどちらかというと所有権をもつ資源を対象に、資源の用途を所与のものとし、またその活用に分析の焦点が当てられており、「資源創出」という現象にまで目を向けた研究はそれほど多くない。本研究は20の資源創出の事例分析や既存研究などから、「資源の利用可能性」「視点の転換」「資源の組合せ」といった視点を抽出し、資源創出という現象を検討するための新たなフレームワークを提示した。最後に今後、資源創出をより明らかにしていく上で議論すべき論点を提示した。