2015 年 31 巻 1 号 p. 106-111
太陽光発電に対する関心の高まりとともに、その問題点も指摘されている。発電が天候に左右されるために、安定した発電量が得られにくいことに加えて、その発電量が事前に把握しにくい点である。さらに雲の動きに応じて発電出力が数秒~数分の間に大きく変化するという特徴がある。気象情報や気象予測のデータをもとに、発電量を予測するという研究がされているが、これらは、予測時間が長く、また対象とするエリアが広いという点で、特に小エリアでの利用には不十分である。この研究では、太陽電池の発電量を短い時間間隔で測定できる小型で安価な測定装置を開発した。この測定装置を用いることにより、近距離の2地点間における発電量の関係を明らかにできる。複数地点に設置し、データを解析することで天候等による太陽光発電への影響を観測し、予測技術への利用を目的としている。本論文では、新たに開発した発電量測定装置の原理・構造・特徴を示し、本装置を用いた予測手法例について説明する。