本論文は、ダクト設備診断手法及びダクトクリーニングの離職者訓練及び在職者訓練への適用を提案している。建築設備の物理的劣化診断は、維持管理やリニューアル工事のために不可欠である。建築物の長寿命化を指向する中で、建築設備の物理的劣化診断の重要性はますます高まっている。配管の物理的劣化診断については、方法が確立されているが、ダクトに関しては系統的な物理的劣化診断方法の確立がなされているとは言い難い。そこで、本研究では、既設ダクトの設備診断手法を検討して、ファイバースコープによるダクトの物理的劣化調査及びダクトクリーニングの方法について、教材化の提案を含めて、ビル管理分野などの実践的な職業訓練への適用の提案を行う。