2024 年 3 巻 2 号 p. 128-137
【目的】本研究の目的は足部可動性を有する長下肢装具(以下、GS-KAFO)を用いた前型歩行練習を提供することによって、現存する予後予測指標によって判定される歩行自立の可否の予測結果を上回る治療効果が得られていたかを明らかにすることである。
【方法】対象は回復期リハビリテーション病棟にてGS-KAFOを作製し、前型歩行練習を提供した脳卒中片麻痺患者43名である。予後予測指標である「二木の早期自立度予測」における歩行自立の可否の予測結果と、実際の退院時における歩行自立の可否を後方視的に調査し、両者を比較した。
【結果】二木の予測結果は、歩行自立3名、非自立28名、予測不能12名であった。一方、実際の退院時の歩行自立度は、歩行自立27名、非自立16名であった。
【結語】脳卒中片麻痺患者におけるGS-KAFOを用いた前型歩行練習の提供は、退院時の歩行自立度の改善に貢献する可能性が考えられた。