日本移植・再生医療看護学会誌
Online ISSN : 2435-4317
Print ISSN : 1881-5979
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造血幹細胞移植を受ける患者の臨終期において看護師が抱える困難感
大庭 貴子習田 明裕
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2021 年 16 巻 p. 10-22

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抄録

本研究は, 造血幹細胞移植(以下, HSCT)を受ける患者の臨終期において看護師が抱える困難感を明らかにすることを目的とした. 臨終期のHSCT受療患者に関わった経験がある10名の看護師を対象に半構成的面接を行い, その内容を質的記述的に分析した. その結果, 【治療期の中で臨終を迎える患者への支援の迷い】, 【臨終期の中で患者の意思決定を支えることの難しさ】, 【臨終期の患者を支える中で抱く無力感とやりきれなさ】, 【看取りに向けて揺れる家族を支援することの難しさ】, 【患者や家族, 医療者間での調整役割の難しさ】の5カテゴリーが得られた. HSCTを受ける患者の臨終期において, 看護師は, 治療期と終末期の不明瞭さや意思決定支援の難しさに悩みながら,より良いケアを模索していた. 一方で, 患者の苦痛が最期まで取り切れないことや, 実践したケアの振り返りが十分に行えない状況から, やりきれない思いを蓄積させていることが明らかになった.

Abstract

The purpose of this study was to clarify the difficulty that nurses have at the end of life in patients undergoing hematopoietic stem cell transplantation (HSCT). Semi-structured interviews were conducted with 10 nurses, and the contents were analyzed qualitatively and descriptively. As a result, five categories were identified: “Ambivalence to support for patients dying during the treatment period”, “Difficulty in supporting the decision making during the patients end of life”, “Feeling of insufficiency and sense of helplessness in which nursing support for patients”, “Difficulty of assistance to families suffering in care of the dying patient”, “Difficulty in coordinating roles among patients, families, and healthcare professionals”.

At the end of life for patients undergoing HSCT, nurses suffered from ambiguity between treatment and end-of-life and difficulty in supporting decision-making. And they were looking for better care. On the other hand, nurses feld it difficult to completely relieve the patient's pain and not be able to fully reflect on the care they were providing. And they were accumulating unfulfilled emotions.

1.緒言

研究背景

造血幹細胞移植(Hematopoietic Stem Cell Transplantation: 以下HSCT)は, 血液癌や一部の疾患に対して完全寛解を望める有効な治療手段である. 近年, その治療成績は格段に向上し, 移植件数も大幅に増加している(日本造血細胞移植データセンター, 2019). しかし治療では, 致死量の抗癌剤投与や全身照射(Total-Body Irradiation: 以下TBI), 移植片対宿主病(Graft Versus Host Disease: 以下GVHD)の発現等, 極めて強い侵襲を伴う. そのため, 治療成績が向上している現在でも, 患者が治療の中で命を落とすことも少なくない(日本造血細胞移植データセンター, 2019). それでも, これを最後の手段として治療に臨む患者も多く, 今後もその件数は増加していくことが予想される.

HSCT領域における看護研究は, 移植件数の増加や生命予後の延長等に伴い, 特に2000年代以降, 活発化している. 先行研究は患者の受療体験に着目したものが多く, 患者が意思決定から移植を受けて退院した後の生活に至るまで, 長期にわたって, 多くのニーズを抱えていることを明らかにしている. HSCTを受ける患者は, 病名を告知された後, 疾患やHSCTについての多量で複雑な情報を提供される. そして, それを理解した上で, 命がけで受療するかどうかの判断を求められる. さらに, 造血幹細胞の提供や治療までの期間は, 常に不安で不確実な状況で過ごす(石橋, 2002). 治療が始まると, 大量の抗癌剤投与やTBI の強力な有害事象, さらに無菌室入室など特殊な環境下での生活の影響で, 多くの心理的・身体的苦痛を抱える. そして, 患者は死への不安が強くなるような厳しい局面を経験する(山口, 上岡, 石倉, 2007). それらを乗り越えた後も, 治療に伴う様々な症状と向き合い, ボディイメージの変容や再発への不安を抱えながら, 生活を再構築していく(石田, 萩原, 石田他2005: 横田, 上村, 小田他, 2011). そして時には, その治療経過の中で, 命を落とす場合もある.

こうした中で看護師は, 患者にとって最も身近な医療者として, 質の高いケアの提供を期待される. そして先述したような背景から, HSCT看護は治療期の支援と共に, 最期まで治療を望みながら死を迎える臨終期での支援を求められる場合も多い. しかし, HSCTに携わる看護師もまた, 患者支援の中で多くの困難や葛藤を抱えていることが明らかにされている(大庭, 習田, 2020). 看護師は, 移植医療に関する専門的な知識や技術を求められるが, 細密な輸液管理や感染管理など繁忙な中で, 行いたい看護を十分な時間をかけて行えない状況におかれやすい (高橋, 松岡, 簗場他,2010: 金芳, 柴崎, 鈴木, 2010). また, 患者の心理的支援や意思決定支援の難しさ, 家族支援や多職種連携など, 様々な場面で悩みや困難を抱えている(森, 三角, 福井他, 2008: 古川, 2016: 大庭, 習田, 2020). 水内ら(2015)は, 血液疾患終末期患者との関わりの中で看護師は, 患者や家族に対して最期の時間の確保や死の話題への対応に困難を感じていることに加え, 終末期と治療期の境界が捉えにくいこと, 免疫力が低く生活制限が伴うといった血液疾患の特徴が看護師の困難感へ影響を及ぼしている可能性を述べている. さらに, こうした臨床現場での精神的消耗の蓄積が, バーンアウトや離職に関連していることも示唆されている(久保, 2004: 撫養, 勝山, 志田他, 2015).

今後, 移植件数の増加や患者の多様性の広がりに伴い, HSCT看護では治療期と共に臨終期の看護やその質の向上も求められる. しかし, これまでは, 患者の受療体験やその回復過程に着目した研究が先行しており, HSCTの特殊性を踏まえた臨終期看護に関する調査はほとんどない. そこで本研究では, HSCTを受ける患者の臨終期において, 看護師が抱える困難感を明らかにすることを目的とした. このことにより, 専門性や治療優先性の高いHSCTの現場で, 看護師が直面する具体的な困難感を可視化して共有することを可能にし, 患者や家族へのより質の高い看護や, 看護師への支援について示唆が得られると考えた.

用語の操作的定義

1.造血幹細胞移植

ドナーや移植の種類に関わらず, 造血幹細胞を移植する治療法の全てを含む総称とした.

2.困難感

臨床場面において看護師が, 葛藤や苦悩すること, 戸惑うこと, 難しいこと, 困難を感じることとした.

3.臨終期

治療期の中で死を迎える場合で, 終末期の定義(終末期医療に関するガイドライン, 2016)に当てはまらない, 看取りまでの期間とした.

2.研究方法

研究デザイン

質的記述的研究デザイン

研究対象者

HSCT受療患者に関わる看護師で, 臨床看護師経験5年以上, かつHSCT実施病棟での勤務経験が3年以上の看護師を対象とした. また, 対象者は, 臨終期の患者への支援経験を豊富にもち, それを振り返って言語化できる者とした. そのため, 経験年数を条件に含め, 新人看護師やHSCT領域での経験年数が少ない対象者は予め除外した.

研究対象者募集方法

スノーボールサンプリングを用いた. 研究者のネットワークから, HSCT実施施設での勤務経験がある看護師へ, 本研究の主旨や方法について口頭及び書面を用いて説明し, 対象者の紹介を依頼した. 対象者は研究代表者, 紹介者共に利害関係や研究参加への強制力が働く関係でない者とした. 紹介を受けた研究対象者に対して, 研究代表者から改めて研究の主旨や方法を口頭及び文書で説明の上, 研究協力の依頼をして同意を得た. 調査後には新たな研究対象者の紹介を依頼した. 紹介者が得られなかった場合や研究協力が得られなかった場合には, 前述と同様の方法で新たに研究対象者を募集した.

データ収集方法と調査内容

半構成的面接法を用いた. 面接は1人1回, 60分程度とし,これまでHSCT 受療患者の臨終期に抱いた困難感やその時の思いを自由に語ってもらった. 対象者の許可を得て IC レコーダーに録音して逐語録を作成した. また, 基本属性の把握のために①年代, ②臨床看護師経験年数, ③HSCT病棟経験年数, ④看護資格, ⑤役職, ⑥他科での勤務経験, ⑦他科での看取り経験について質問紙を用いて尋ねた.

分析方法

調査から得られた逐語録を基に質的記述的に内容分析を行った. 臨終期の看護における困難感に着目し, 文脈から切り離さず, 意味内容が損なわれないように語りを整理して, コーディングを行った(コードの抽出). 各コードで困難感の内容が類似しているものを統合してサブカテゴリー, さらに, 各サブカテゴリーで内容が類似したものを統合してカテゴリーとした. コーディングや統合の際には, できる限り対象者が語った表現を残し, 具体的な内容やその特徴が損なわれないよう留意した. 分析の信頼性を確保する為, 分析過程では逐語録を繰り返し読んで分析結果が元のデータ内容からずれていないか, 質的帰納的に行った. さらに, 全過程において抽出方法や分析の視点に偏りが生じないよう研究者間で繰り返し検討を重ねた.

倫理的配慮

本研究は所属機関の研究安全倫理委員会の承認(承認番号:17046)を得て実施した. 対象者へは匿名性の確保や, 研究参加は自由意志であること, いつでも撤回できることや研究協力の有無によって不利益は一切生じないことを説明した. インタビューは個室で行い, ICレコーダーによる録音は事前に対象者に説明して, 了承を得た上で録音した.

3.結果

1.対象者の属性(表1

10名の看護師から研究協力を得た. 対象者の属性を表1に示す. 対象者は女性7名, 男性3名で, 臨床看護師経験は平均8.1年(6-13年: 最小値-最大値, 以下同様), HSCT病棟経験年数5.6年(3-8年)であった. 全員が複数の臨終期の患者に関わった経験があり, 看取りを経験していた.

表1.対象者の基本属性                                          N=10
項目 内訳 度数 最小値 最大値 平均値 標準偏差
臨床看護師歴(年) 6 13 8.1 2.3
HSCT看護師歴(年) 3 8 5.6 1.6
性別 7
3
年代 20歳代 4
30歳代 6
看護資格 看護師 9
認定看護師 1
役職 スタッフ 9
管理職 1
他科経験 7
3
他科での看取り経験 7
3

2.HSCTを受ける患者の臨終期において看護師が抱える困難感(表2

分析の結果を表2に示す. 文中の【 】はカテゴリー, ≪ ≫はサブカテゴリー, 〈 〉はコード, 「 」は語りの内容を示す. 語りを記述する際には, 10名の対象者をそれぞれA氏~J氏として表記した. HSCTを受ける患者の臨終期において看護師が抱える困難感は218のコード, 25のサブカテゴリー, 5のカテゴリ―に分類された. カテゴリ―はその内容から【治療期の中で臨終を迎える患者への支援の迷い】, 【臨終期の中で患者の意思決定を支えることの難しさ】, 【臨終期の患者を支える中で抱く無力感とやりきれなさ】, 【看取りに向けて揺れる家族を支援することの難しさ】, 【患者や家族, 医療者間での調整役割の難しさ】とした.

表2.分析結果(カテゴリー・サブカテゴリー)
カテゴリー サブカテゴリー
治療期の中で臨終を迎える患者への支援の迷い 治療期と終末期の境界が不明瞭で見通しがつかず、患者への関わりに迷う
根治を目指して治療をしながら亡くなっていく患者を目の当たりにして、患者にとって今の治療が本当に必要なのか迷う
治療遂行のための日常生活の制限や侵襲を伴う処置と, 患者の苦痛緩和や希望の過ごし方のどちらを優先すべきか迷う
根治を目指せない中で患者の中にたまるストレスや精神的なつらさへの支援が難しい
臨終期の中で患者の意思決定を支えることの難しさ 身体状況が厳しい状況におかれた患者が今後のことを考える為の十分な時間と環境が整えられない
強い意志で治療を望みながら治療を続けることが厳しい状況に置かれた患者にどう関わって良いのか迷う
患者が希望しても身体状態や医療システムが整わず自宅療養を選択できない
若い年代や自分と同年代の患者への看取りを視野に入れた意思決定の支援が難しい
臨終期の患者を支える中で抱く無力感とやりきれなさ 治療の影響や全身状態の悪化に伴う苦痛症状のコントロールが難しく、最期まで苦痛を取り切れないことにに無力を感じる
患者と意思疎通が取れなくなると、自分たちのやってきた看護がそれで良かったのか評価ができず不全感が残る
長期間にわたって関係性を構築してきた患者が亡くなっていくことを目の当たりにすることが精神的につらい
日常業務や他患者への対応に追われ、十分な時間をとってケアが行えていない
患者の状態変化の察知や安全のための繊細なケアの実践のために、常に気を張り詰めた緊張状態で関わり続けることが求められ看護師が疲弊する
移植の影響で生じた皮膚症状や浮腫、出血などによる患者の外観の変化を患者本来の姿まで十分に整えきれない
日々の業務に追われ看護スタッフの教育的支援が十分行えていない
看取りに向けて揺れる家族を支援することの難しさ 家族が看取りに向けて準備をしていけるように促すことが難しい
長期間に渡って患者を支え、疲弊していく患者家族への支援が難しい
家族と十分にかかわる時間が確保できず家族への支援が不足している
最期かもしれない時間の中で、家族との面会の時間を作るタイミングが難しい
患者の厳しい状態を目の当たりにする血縁ドナーへのサポートが難しい
患者が意思を伝えられなくなった時の家族の代理意思決定の支援とその捉え方に迷う
患者や家族、医療者間での調整役割の難しさ 医療者と患者・家族の間の経験的な差による理解や捉え方のギャップがあり、その差を埋めることが難しい
患者や家族が医師につらい思いや意思を伝えられる場を十分に確保することが難しい
もっと医師と連携をしていく必要があると思っても、十分にコミュニケーションが取れない
医師や他職種のそれぞれの価値観や視点を尊重しながら、連携して方針を統一していくことが難しい

1)治療期の中で臨終を迎える患者への支援の迷い

「この患者さんが楽になるための治療なのか, (中略)実際は患者さんの苦痛になってるんじゃないか. それこそ, 治療を全部撤退して, 緩和ケアに, 移行したほうがいいんじゃないかっていうことを考えることも多い」(B氏)や, 「治療に必要な内服をしてもらうだとか, 治療に必要な採血を受けてもらうだとか, そういうことを, どの時点まで, こなすことを, 患者さんに強いるじゃないですけど, そこに, 患者さん(の希望)にのっとって過ごしてもらうのかっていうのを・・・体重を測るだとか. (中略)もう現段階では, 苦痛を助長させるだけなんじゃないの, っていう状況の人もいるので. いつも悩ましいです」(J氏), 「やっぱり, 境界線がはっきりわからないので. (中略)ちょっと輸血するだけで元気になる, ちょっと抗癌剤やるだけで元気になるって, でもそれって一瞬なんですよね. 帰れるほど, ではないんですよね. うん. そう考えると, ・・・・やっぱり難しい. ちょっとだけでも帰りたいという希望さえかなえられない」(I氏)といった語りが得られ, 〈HSCTの影響(有害事象等)で苦しんだり家に帰れないまま亡くなっていく患者を目の当たりにして, この治療が本当に必要なものなのかわからなくなる〉, 〈寛解の望みが少ないように感じる患者に対して, 治療のために苦痛を我慢してどこまで頑張ってもらうべきか迷う〉等59のコードが抽出された. これらのコードについて類似したものを統合し, ≪根治を目指して治療をしながら亡くなっていく患者を目の当たりにして, 患者にとって今の治療が本当に必要なのか迷う≫, ≪治療遂行ための日常生活の制限や侵襲を伴う処置と, 患者の苦痛緩和や希望の過ごし方のどちらを優先すべきか迷う≫, ≪根治を目指せない中で患者の中にたまるストレスや精神的なつらさへの支援が難しい≫, ≪治療期と終末期の境界が不明瞭で見通しがつかず, 患者への関わりに戸惑う≫の4のサブカテゴリーが得られ, 最終的にカテゴリーを【治療期の中で臨終を迎える患者への支援の迷い】とした.

2)臨終期の中で患者の意思決定を支えることの難しさ

「すごく, 選択肢を考える期間がすごく短い. (中略)しかも, おうちに帰って考えてもらう, っていうこともできないじゃないですか. うん, だからそこは, すごく難しくて困難を感じることは多いです」(B氏)や, 「若い方は, その先の生活で, 果たしていきたいことが多いですもんね, 実際. ちっちゃい子供がいれば, いるなりに, その父親だったり母親だったりの役割っていうのもありますし. (中略)(最期の時間を考えることの)提示のしにくさっていうのは, ライフステージによってやっぱり感じます」(A氏)といった語りが対象者から得られ,〈治療の影響で病室外や自宅で考えることもできない中で, 治療を続けるのかどうかの意思決定をしなければいけない患者を支えることが難しい〉,〈若い患者に対しては特に, 治療を撤退することの提示がしづらく看取りに向けたかかわりが難しい〉等38のコードが抽出された .これらのコードから≪身体状況が厳しい状況に置かれた患者が今後のことを考えるための十分な時間と環境が整えられない≫,≪強い意志で治療を望みながら治療を続けることが厳しい状況に置かれた患者にどう関わって良いのか迷う≫, ≪患者が希望しても身体状態や医療システムが整わず自宅療養を選択できない≫, ≪若い年代や自分と同年代の患者への看取りを視野に入れた意思決定の支援が難しい≫の4のサブカテゴリーが得られ, 最終的に【臨終期の中で患者の意思決定を支えることの難しさ】とした.

3)臨終期の患者を支える中で抱く無力感とやりきれなさ

「鼻血が止まらないとか, 痛い, 気持ち悪い, だるい, 気持ちがつらい, 味が変, 下痢が止まらない…(中略)そういう症状もひとつひとつ, どうしても毎日続くので, 取り切れない(中略)何もしてあげられない, できる限りをしてるけど, すごく限りがあるというか, 届かないことが多い」(G氏)や, 「(患者が意思疎通ができなくなった後も)私たちはその患者さんらしさとか尊厳を保っていく, ってしてきたつもりだったんだけど, 実際はどうだったのかな, とか. っていう, もやもやを, 話している間もなく次の患者さん, 次の同じような状況になってっていうのを繰り返して. 疲弊していく看護師も多い」(E氏)といった語りが対象者から得られ, 〈患者の苦痛を取り除きたいが, 最期まで苦痛がとり切れずに亡くなってしまっていると感じ, 看護の限界や無力を感じる〉, 〈実践した看護や医療に対して患者からの反応が得られず, それが実際に患者のためになっていたのかわからずもやもやした思いが残る〉等67のコードが抽出された. これらのコードから, ≪治療の影響や全身状態の悪化に伴う苦痛症状のコントロールが難しく, 最期まで苦痛を取り切れないことに無力を感じる≫, ≪患者と意思疎通が取れなくなると, 自分たちのやってきた看護がそれでよかったのか評価ができず不全感が残る≫等, 7のサブカテゴリーが得られ, 最終的に【臨終期の患者を支える中で抱く無力感とやりきれなさ】とした.

4)看取りに向けて揺れる家族を支援することの難しさ

「長い期間, 家族は自分じゃなく, 大事な人が苦しんでたり死の危険が迫っているというストレスというか, 負担の中で, 患者さんを支え続けているので. やっぱり精神的に, 場合によっては身体的にもすごく疲弊していく」(D氏)や, 「家族, 特に子供との面会においては, お子さんがちっちゃいのに, 会わせられないっていうつらさがある. (中略)会わせてしまうと患者さんも最期だって思ってしまうし, 子供も子供で, その時ってもう, 寝たきりの状態になってるから. (中略)変わっちゃってるってショックを受ける. でも会わなかったら会わなかったで, 気持ちが残るし・・・そういう思いがあると, どこのタイミングで会わせるかっていうのも難しい」(F氏)といった語りが対象者から得られ, 〈移植や再発を含めて長期間に渡る闘病を支え続け, 疲弊していく家族を支えることが難しい〉, 〈面会制限がある中で, 患者の心理的影響や, 家族の患者の状態や外観の変化へのショックに配慮しながら, 面会のタイミングや場を設定することが難しい〉等32のコードが抽出された. これらのコードから≪長期間に渡って患者を支え, 疲弊していく患者家族への支援が難しい≫, ≪最期かもしれない時間の中で, 家族との面会の時間を作るタイミングが難しい≫, ≪患者が意思を伝えられなくなった時の家族の代理意思決定の支援とその捉え方に迷う≫等, 6のサブカテゴリーが得られ, 最終的に【看取りに向けて揺れる家族を支援することの難しさ】とした.

5)患者や家族, 医療者間での調整役割の難しさ

「こんな為にやったんじゃないのにって(中略)移植をやって治るはずだったのに, なかなか・・・うん, こんな, ここまで想像していなかったっていう, 本人もご家族も多い」(F氏), 「生きてることってなんなんだろうなとか, 生きるために移植したんだけど, 生きるってそもそもどういう状態のことを患者さんが想定していたんだろうな, とか・・・(中略)私たちはいろんな経験があるから, そう思える(自分なりに捉えることができる)けど, 患者さんはそう思わないことも多いでしょ. だから, そこの差っていうのか, それが気になってた. 私の中での葛藤だった」(E氏)という語り, 「外泊とか, 患者さんを少しでも(自宅へ)帰らしてあげたいって私たち(看護師)は思うし, でも先生(医師)たちはもうちょっと治療が続けられそうとか, あとはちょっとこの血球だとまだ厳しいとか, でも私たちも私たちで, もうこれが最後のチャンスなんじゃないかなとか思うと, 外泊ダメですかって提案したり, (中略)微妙なすれ違いみたいなのとか, 意見が合わなかったり」(G氏)といった対象者の語りが得られ, これらから〈治療や生, 死などに対する, 医療者と患者の認識や想定にギャップがあることを感じるが, その差を埋められずに葛藤する〉, 〈患者にとってより良い最期の時間が確保されるために苦痛緩和を優先したいと考えても, 治療を優先する医師と意見が食い違い難しさを感じる〉等22のコードが抽出された. そして, これらのコードから≪医療者と患者・家族の間の経験的な差による理解や捉え方のギャップがあり, その差を埋めることが難しい≫, ≪患者や家族が医師につらい思いや意思を伝えられる場を十分に確保することが難しい≫, ≪もっと医師と連携をしていく必要があると思っても, 十分にコミュニケーションが取れない≫, ≪医師や他職種のそれぞれの価値観や視点を尊重しながら, 連携して方針を統一していくことが難しい≫の4サブカテゴリーが得られ, 最終的に【患者や家族, 医療者間での調整役割の難しさ】とした.

4.考察

1.治療期の中で臨終を迎える患者への支援の迷い

本カテゴリーは, HSCTの侵襲性の高さと, 一方で再移植等の厳しい状況にあっても, 移植を行い生着すれば, 完全寛解が望める可能性が病期後期まで残存する, という特性が背景にあることが推察される.

主なHSCT対象疾患となる血液疾患は, その特性から明確な病期が示されづらく, 進行しても固形癌等のように積極的な治療が不可能という判断もされにくい. それ故に, 本研究で着目した臨終期のように, 終末期ガイドラインが定義する”終末期”を経ず, 治療期の中で看取りを迎える場合もある. 本研究の対象者も, 全員が複数の治療期の患者に関わり,また, 根治を望みながら死を迎えた複数の臨終期の患者に関わった経験があった. HSCT患者に関わる医療者は, 患者や家族が目指す根治・完全寛解を目標に最大限尽力しながらも, それが患者や家族にとって最期の時間となり得ることも想定している. そして, 万が一そのような状況になったとしても, 時期を逃さず, 患者が最期まで望む形で生を全うできるよう支援するために, 準備状態を維持している. 双方の状況を予測するからこそ, 患者の状態が厳しくなるにつれて, 根治に向けた治療を支えるという視点と, 患者や家族が, その人らしく, より良い最期の時間を過ごせるよう支えるという視点が同時に生じ, その間で【治療期の中で臨終を迎える患者への支援の迷い】に含まれたような, 葛藤や迷いが生じていると考えられる.

加えて, 先行研究で示されたように, 患者は療養期間に死や再発等といった様々な不安を抱え続けている(石橋, 2002). 患者はそうした不安を, しばしば身近に寄り添う看護師へ表出する. そして看護師は, 患者が死への不安や迷いを示すような関わりの難しい場面に直面し, その困難感は高い傾向にある(水内, 高見澤, 梅沢他, 2015). こうした困難感への対処として, カンファレンスを通したスタッフ間での共有等が有効であることの報告もあるが(横田, 上村, 小田, 2014), 繁忙な現場では十分な時間をとって対処ができない現状も指摘されている(金芳, 柴咲, 鈴木, 2010). 今後はこうした状況を踏まえて, 困難感への影響要因やその対処法についても調査を進め, 具体的な看護師への支援や環境体制について検討していく必要がある.

2.臨終期の中で患者の意思決定を支えることの難しさ

本カテゴリーは, 前項の【治療期の中で臨終を迎える患者への支援の迷い】にも関連して生じる困難感であると考えられる. 前述したように, HSCTを受ける患者は, 治療期と終末期が不明瞭で, 身体的にも精神的にも苦しい状況下で, これからの療養について考えなければいけない. しかも, 治療の影響で血球がほとんど消失している状態では, 病院外はおろか病室外にでることもできない. 場合によっては, 室内での行動さえも制限される. 加えて, 治療や疾患に伴う身体状況の変化も早く, 多くの対象者が, 患者が短期間で十分な環境が整えられない状況で意思決定をしなければいけないことを語っている.

看護師は, 患者がこうした中で日々迷い, 苦悩する様子を間近に感じ取っている. そして, 揺れ動く思いに寄り添いながら, 患者が最も望む選択を見出していくことを支えている. しかし, こうした状況の中で最善の選択を見出し, 判断をすることは, 患者にとっても, 医療者にとっても容易なものではない. このように, 臨終期という不明瞭な時期の中で, 患者がどう生きていくのかを考え, 決めていくことを支える難しさや迷いが本カテゴリーに集約されたと考えられる. また, HSCT受療患者は他疾患と比較して若年患者の割合が高い特徴がある. 発達段階によってその後の人生で果たしていきたい課題も多く, その段階が看護師の抱く困難感に影響をもたらしている可能性が示唆された.

今回の調査で, 対象者の多くは, 臨終期の意思決定支援に関わる際, 患者や家族が選択したことを最期まで後悔せずに過ごせるよう支えることの重要性を語っていた. その一方で, 患者を看取った後には, 患者の最大の希望であった“生きる”ことが叶わなかった事実から, 自分たちは本当に患者にとって最善の選択を支えられたのか, より良い選択や支援は他にはなかったのかと, 模索し続けていた. そして, その過程で感じる, 悩みや迷い, 難しさが本カテゴリーの困難感として示されていた. 今後, HSCT件数の増加や患者の多様性の広がりに伴って, こうした困難感はさらに増えていく可能性もある. しかし, これに向き合い模索し続けることで, より良いケアを見いだし, それを患者へ提供していくことが専門職として期待されるものでもある. 近年, 看護研究でもHSCT患者の意思決定支援に関する具体的な事例検討が増えてきている. 今後も, 現場で行われる個々の患者への看護支援について共有し検討を繰り返すことで, より質の高い看護や, 困難感を抱きながらケアを行う看護師への支援にもつながっていくのではないかと考える.

3.臨終期の患者を支える中で抱く無力感とやりきれなさ

本カテゴリーは, 今回の調査の中で最も多くの語りが含まれたカテゴリーである. 特に, ≪治療の影響や全身状態の悪化に伴う苦痛症状のコントロールが難しく, 最期まで苦痛を取り切れないことに無力を感じる≫は対象者全員が共通して語った困難感であった. 侵襲性の高いHSCTでは, 患者は様々な要因によって強い身体的・精神的苦痛を抱える. 加えて, 患者が治療の継続を望んでいる場合には, 必ずしも苦痛緩和が優先されない. そのため, カテゴリー1のように, 治療のための制限や侵襲を伴うケアと患者の苦痛緩和のどちらを優先すべきか迷うような状況が生じている. そして苦痛症状が十分にぬぐえないまま, 意思疎通がとれない状況になったり, 死を迎えた時, 看護師は強い無力感を抱いていた. 常に最善のケアを模索しながら, 実践を繰り返してきた看護師にとって, 実践したケアが本人にとってどうだったのかを知る手立てを失うことは, その後も払拭できない無力感ややりきれなさにつながっていることが伺えた. さらに, HSCTでは治療に伴う浮腫や出血, GVHD等で外観の変化が現れることも多い. そのことから, 元々の本人らしい姿に整えられない状況や, それが傍に寄り添う家族等にとっても関わりづらくさせる要因になっていることが, エンゼルケアに至るまでの看護師のやりきれなさとして語られていた.

こうした看護師の無力感ややりきれない思いは, 看護師の心の引っ掛かりとして残り, 対象者はこれらを「もやもや」が「積もって」いく等と語っていた. 現在HSCTの年間件数は5500件を超え(日本造血細胞移植データセンター, 2019), 治療のための入院を待つ患者も多くいる. 今回の調査の中で語られたように, 看護師は無力感ややりきれない, 「もやもや」とした思いを抱いた後も, それらを十分に解消できないまま次の患者を迎え入れて支援にあたっていた. そして, この困難感が「積もって」, 看護師が「疲弊していく」状況が示されたと考えられる. このような情緒・精神的消耗は, バーンアウト等につながる要因としても指摘されており(久保, 2004), 看護師への支援の重要性が改めて示唆されたといえる. 近年, HSCTの関連学会や厚生労働省等を中心に, 医療者に向けたセミナーや交流の機会等も設けられているが, こうした場に臨床看護師が参加できる環境の確保や, 看護師への精神的支援, スタッフ間のコミュニケーションや他職種とのカンファレンスの機会の確保など, 支援のさらなる拡大が求められると考える.

なお, HSCT件数や実施施設数は年々増加しているものの, 移植件数や受け入れ患者層については施設間で差も大きい(造血細胞移植データセンター, 2019). そのため, HSCTに携わる看護師の間でも臨終期患者に関わる機会や経験に差があることが想定される. 困難感を抱く場面への遭遇頻度や経験の蓄積が, 困難感への対処を熟達させ, 看護師にとっての支えとなるのか, あるいは疲弊や消耗として蓄積されているのか等, 全国の現場の実態やその影響をより詳細に検討しながら, 看護師への効果的な支援について模索していく必要がある.

4.看取りに向けて揺れる家族を支援することの難しさ

本カテゴリーでは看護師が臨終期において, 家族への支援も多くの場面で実践しており, その中で様々な困難感を抱いている現状が示されたと考えられる. HSCT受療患者は年齢層が広く, 配偶者や親, 子, 兄弟など様々な関係性の家族が長期にわたって, 患者の闘病に関わっている. 先行研究では, 付き添う家族の体験に着目した調査も複数あり, 患者とはまた異なる視点から, 家族が多くの支援を必要としている状況を明らかにしている(佐々木, 2009, 後藤, 奥津, 2012). また, HSCTの臨終期では, 命を脅かす感染や出血なども急激に重症化しやすい. 対象者が共通して語ったように, 治療期の中で亡くなるときにはその変化のスピードも速く, 患者だけでなく家族が「ついていけない」状況に置かれやすい. 根治を信じて闘病期間を寄り添いながら, 突然患者の死に直面する家族が, その状況を理解し, 最期まで家族としての役割を果たせるように支えることついて, 看護師はその必要性と難しさを感じていた. また, 患者が意思疎通困難になったとき, 時として家族は, 本人に代わって患者がこれからどのように生きるのかの意思決定を求められる. 看護師は, 家族がその役割を十分に果たせるように, 同時に, 代理意思決定によって患者本人の意思が損なわれないように, 双方を支援する必要がある. その中で看護ケアの選択の迷いや支援の難しさといった困難感を抱いている状況が示されたと考えられる.

さらに, 家族がドナーとなった場合の血縁ドナーの存在は, HSCT特有のものである. 血縁ドナーの意思決定や身体的負担, さらに移植後患者が死亡した場合の精神面への支援等, 先行研究でも血縁ドナーが多くの支援を必要としていることが示されている(安納, 大山, 脇谷内, 2007: 五十嵐, 本間, 中村他2008: 成田, 2009). 本研究でも, 患者の死を目の当たりにする血縁ドナーへの支援の必要性と, その難しさが抽出された. しかし, 今回の対象者の中で血縁ドナーへの支援経験がある者は限定されていた. 血縁ドナーへの支援にかかわる困難感については, 引き続き焦点を当てて対象者を募り, その具体的な内容を探求していく必要があると考えている.

5.患者や家族, 医療者間での調整役割の難しさ

本カテゴリーでは, 患者・家族と医療者をつなぐ役割や, 多職種間の調整役割に関する困難感が抽出された.

患者・家族と医療者の間では, 経験的に治療の経過が具体的に想像できる医療者と, そうでない患者や家族の間に生じるギャップを減らしていくことの難しさが多く語られていた. 先述したようにHSCTは専門性が高く, 患者に提供される情報量も多く複雑である. さらに, 患者が治療について理解し, 十分に考える為の時間の確保には限界がある場合が多い. また, インフォームドコンセントの中で, 医師から5年生存率など具体的な数値が示されたとしても, 患者が望むのは生存割合に自分が含まれる状態であり, 具体的に自身が命を落とす状況は想像しがたい. そのため, 臨終期の中で初めて「こんなはずじゃなかった」という思いに至る患者や家族を, 対象者は目の当たりにしていた. そして, そのような思いが最小限になるように, 医療者と患者や家族の間のギャップを埋めることや, 他職種に患者や家族が十分に思いを伝えられる場の確保といった支援を行いながら, その支援が十分に行いきれない状況にも遭遇し, 困難感を抱えていた.

一方, 医療者間で最も多く挙がったのは, 医師との協働に関する困難感であった. カテゴリー1で述べたように, 医療者は患者や家族と共に根治を目指ししながらも, それが患者や家族にとって最期の時間となり得るという可能性も視野に入れて支援にあたっている. しかし, 対象者の語りの中では, 医師が常に治療優先性を求められながら患者と共闘していること, 看護師はその役割を理解しながらも, 最期かもしれない患者や家族にとってのより良い時間の確保に視点が向くため, 方向性が食い違う時期が生じ, それが困難感に繋がっていることが示されていた. また, 近年HSCTの現場でも多職種連携が活発化してきているが(岩戸, 1998: 大庭, 習田, 2020), それでも, 密に連携する医師とのコミュニケーション不足が, 困難感やその要因として抽出され, 医療連携のためのさらなる環境確保の必要性が示唆された. その一方で, 多職種連携が活発化してきたことで他職種の役割や価値観が共有され, それらを尊重しながらチームとして方針を統一していく調整の難しさが, 新たな困難感としても生じていた. 今後は看護師のみならず, 他職種の視点からもHSCTの臨終期支援の現状を明らかにし, 多職種連携への示唆を求めていく必要があると考える.

6.本研究から得られた知見と課題

本研究の調査の結果, HSCTを受ける患者の臨終期において, 看護師は【治療期の中で臨終を迎える患者への支援の迷い】, 【臨終期の中で患者の意思決定を支えることの難しさ】, 【臨終期の患者を支える中で抱く無力感とやりきれなさ】, 【看取りに向けて揺れる家族を支援することの難しさ】, 【患者や家族, 医療者間での調整役割の難しさ】といった困難感を抱いていることが明らかになった.

HSCTに携わる看護師は, 長期にわたって患者に関わり, 多岐にわたる看護ケアを提供している. そして様々な困難感を抱きながら, より良いケアを模索してきた(2020, 大庭, 習田). しかし, さらにその中でも今回焦点を当てた臨終期という時期は, 患者や家族, 看護師とっても多くの困難感が内在する現場であることが本研究を通して明らかになったと言える. 加えて, 本研究の中で示された困難感は, 看護師にとって情緒・精神的な消耗や疲弊として蓄積し, 支援を必要とするものがある一方, 困難感を抱くことが看護師にとってより良いケアを模索するための重要なきっかけにもなっている可能性が示唆された.

なお, 本研究の結果は10名の看護師の経験に基づくものであり, 異なる施設や経験をもつ看護師が抱く困難感は本研究結果の他にも存在している可能性がある. そのため, 今後も対象者の拡大や多角的に焦点を当てた調査を進めると共に, 困難感に影響する要因についても検討していく必要があると考える. また, 本研究は看護師が抱える困難感にのみ焦点を当てている. そのため, 看護師が困難感を抱え, 模索しながら見出してきた具体的な看護実践については十分に検討できていない. 今後は,看護師の困難感への対処行動や, 困難感を経験しながら見出されてきた質の高い看護実践にも着目し, HSCTを受ける患者や家族への質の高い看護や, そこに携わる看護師への支援についてさらに探求していく必要があると考える.

謝辞

ご多忙の中, 本研究の主旨をご理解いただき, 貴重な時間を割いて研究の遂行に多大なるご協力をいただきました看護師の皆様に, 深く感謝申し上げます.

付記:本研究は科学研究費助成事業の助成を受けて行った研究の一部である.

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