現代監査
Online ISSN : 1883-9533
Print ISSN : 1883-2377
ISSN-L : 1883-2377
不正に対する監査人の役割の研究
田中 智徳
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 2010 巻 20 号 p. 122-132

詳細
抄録
わが国の「監査基準」等は財務諸表監査の意義と役割,および,かかる監査に対する監査人の役割と責任について検討することを求められたことに起因して,昭和25年の制定以来,複数回にわたり改訂が行われている。これらの改訂の歴史を振り返ると,監査人の主たる役割は財務諸表の適正性に関する意見を表明することであり,不正の摘発,発見は副次的な役割であるとの認識ないしは理解については,次第に変化がみられる。そこで,本稿では,20世紀末にいたるまでのわが国の「監査基準」等の改訂の内容を検証し,不正に対する監査人の役割に関しての課題を明らかにすることとする。なお,21世紀に入ってからの「監査基準」等の改訂では,国際的対応も念頭に,20世紀までの「監査基準」等に対する理解を一変する状況がみられることから,本稿での対象とせず,別途,研究することを予定している。
著者関連情報
© 2010 日本監査研究学会
前の記事 次の記事
feedback
Top