園芸学研究
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土壌管理・施肥・灌水
地下水位制御システム(FOEAS)設工ほ場における設定水位が秋まきキャベツの生育に及ぼす影響
中野 有加東野 裕広村岡 賢一中西 一泰柳井 洋介岡田 邦彦
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2014 年 13 巻 2 号 p. 125-133

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抄録
地下水位制御システム(FOEAS:Farm-Oriented Enhancing Aquatic System)を施工した水田転換畑において,設定した地下水位が土壌水分量,気相の酸素濃度,秋まきキャベツの生育に及ぼす影響を評価した.地下水位を-30 cmに設定した高水位区,-60 cmに設定した低水位区を設けた.低水位区では高水位区よりも高い土壌水分吸引圧で推移したが,それは最大約40 kPaまでの緩やかな増加であった.両区とも,降水量に応じて地下水位が上昇した.降雨による土壌水分量の増加と地下水位の上昇に伴って気相率だけでなく作土の酸素濃度が低下し,特に高水位区では生育後期にしばしば0%まで低下した.冬季には,高水位区において土壌水分が高く維持された結果,低水位区よりもやや鉛直投影面積が大きかったが,後期には生育が抑制され,最終的な結球重は低水位区の約60%と小さかった.従って,FOEASが施工された水田転換畑において地下水位を高く一定に設定することは,湿害の危険性を増し,キャベツ収量を低下させる可能性が高いと考えられた.
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© 2014 園芸学会
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