現代監査
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内部統制監査と内部監査
武田 和夫
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2015 年 2015 巻 25 号 p. 124-132

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抄録

本稿は,内部統制監査と内部監査の関係性,特に監査人と内部監査部門の連携について考察するものである。内部監査が一定の水準で実施された場合,効果的かつ効率的に監査を実施する観点から,内部統制監査においては可能な限り内部監査人のアシュアランス業務を利用すべきだといわれている。その際,監査基準委員会報告書610「内部監査の利用」に準拠し,監査人が利用できる5つの条件を整えた内部監査機能を会社が設置していることが必要となる。

内部監査は,本来,マネジメント・ツールとしての目的をもつのであって必ずしも財務報告の信頼性のみを常にその目的とするのではなく,複数の目的をもった内部監査部門を設置した場合に発生するコスト負担が1つの焦点となる。また,客観性,専門的能力,正当な注意に関して,経営者は内部監査部門をどのようなガバナンス体系の中に組み込み,どのような人員計画を採用するかが重要となる。コミュニケーションに関しては,内部監査部門から監査人へのアプローチだけではなく,監査人と内部監査部門の双方向性を考える必要がある。

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© 2015 日本監査研究学会
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