近年,内部監査の役割が,第3のディフェンスラインとして位置付けられて注目されているが,この第3のディフェンスラインとしての位置付けについては,明らかにされていない。また,内部監査結果の報告先と監査結果に対する経営者の受容度に関する問題が提起されている。
そこで,本稿では,内部監査部門長(CAE)の報告先の現状を確認し,それを踏まえて,ディフェンスライン・モデルにおける内部監査の第3のディフェンスラインとしての位置付けを明らかにする。次いで,第3のディフェンスラインとして,内部監査の実効性を高めるために,内部監査の組織化はどのようにあるべきなのかについて,経営者と内部監査人とのコミュニケーションの問題から検討し,内部監査によるガバナンス改善の課題を明らかにしたい。