現代監査
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DX化の監査実務への影響
実務家の視点から
結城 秀彦
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2023 年 2023 巻 33 号 p. 11-20

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抄録

我が国においては,デジタイゼーション及びデジタライゼーション等,DX(デジタルトランスフォーメーション)化に向けたさまざまな過程にある企業があり,その個々の監査業務ごとに監査人の監査のDXの状況も異なる。

DX化は,利用する媒体及び経路の電子化及び情報の転用可能性等の向上を伴い,作業と判断が分離され,処理の自動化,機械化・標準化,段取化,集中化,遠隔化,即達化が図られる。これらの特徴を有するDXが進展することで,監査技法の変化(処理の自動化,機械化)に伴う監査資源(時間・人員)の費消の在り方の変化や監査の人材リテラシーにも影響を及ぼす。また,監査アプローチに関して,監査証拠の電子化によるリスク対応手続の在り方や監査意見表明の基礎形成のための注意水準に影響を及ぼす可能性がある。さらに,監査技法のDX化は監査人の行動様式や監査事務所のガバナンスに影響を及ぼす可能性があり,また,関連規制等,監査の実施環境にも影響を及ぼすことが想定される。

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© 2023 日本監査研究学会
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